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魂探し

魂探し

〈STORY〉

君を喪ってから
幾数日も経って
君を構成するものはなんだったのかと
毎日考えている


臓物


炎に陵辱されて残ったものは白骨だった

それでは俺が撫でていた肌は?
俺を包んでくれていたあの温かな内臓は?

どこにいった?

毎日君を探しているのに君が見つからない

あるのは
ただ

記憶の中にある

君の感触

言葉

カタチのないものばかり

俺が欲しいのは
カタチのあるものなのに

たとえそれが腐り身であろうとも

君があまりにこの世界にいないので
俺はおかしくなりかけているのかもしれない

魂などくそくらえだ
そんな

見ることも触れることも叶わないものとは

俺が会いたいのは

君の肌



君を残しておけばよかった
そうすれば
俺は
君を記憶に沈めることなく
ずっと君と居ることが叶ったのに

君の白骨を前に
俺は今日も一人
寝台で
朝陽を憎んでいる

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