top of page
双花『白』

双花『白』

〈STORY〉

私は男である
それは幼いあの日に誓った 自分自身との約束

全ては
君を守る為

だが

私の中には抗いがたい

『女』

が潜んでおり

今も尚

男の私を侵蝕しようと
子宮が舌なめずりをしている

私の男性性は
どうしようもなく
子宮

に端を発しており

完全な男になれぬ無力感を

あの紅い髪の男に
ぶつける事しか出来ぬ

彼は

「偽者」



「本物」

は私であるのだが

何かが狂ってきている事は確かで

けれどその間違いこそが
君を守る事になるのなら

私は私の気持ちを
喜んで殺そう

ああ

だけど

抑え切れぬ私の

『女』



暴走

しそうで


誰か

私を








bottom of page