top of page
侵蝕恋愛、千の花満つる胎内 金色と漆黒の竪琴の奏でる孤独の唄は

侵蝕恋愛、千の花満つる胎内 金色と漆黒の竪琴の奏でる孤独の唄は

〈STORY〉

花びら、一つ
金色の竪琴 貴方の細い髪

緋い花、一つ
翠色の双眸 私の空

貴方の孤独の魂は 血の花畑
私は貴方の孤独に包(くる)まれて
貴方の孤独の胎児となる

このまま、私を産まないでね
ずっとずっと、私を孕み続けていてね

貴方の胎内から切なく啼いた

「君の方こそ、私の世界から出てお行きでないよ」

貴方の指が私の髪を優しく梳く
漆黒の竪琴のようだねと 囁きながら
貴方の奏でる唇の旋律 孤独の胎音

自我と自我が
禁断の領域を越えて
互いの領域を犯し合っている

侵蝕恋愛

千の花、一つ
花で埋め尽くされた胎内で
貴方と私 恋を犯している

bottom of page